全8回の予定で始まった「Looking Back 智頭合宿」シリーズ。
前回は智頭合宿初日のタルマーリーとビールについて振り返りました。初日の午後にタルマーリーで過ごした時間が、智頭合宿中、最も時間の流れがゆったりしていたのではないかと思います。
第4回目の今回は智頭合宿2日目のこと。
その日は朝から驚くことがありました。
小野さんはまだ寝ていた!
前日の夜、出張料理人の方によるスペシャルディナーを楽しんでいた時のこと。
アルコールが飲めない小野さんは普段アルコールを飲みません。でもこの時はその場の雰囲気もあり、島田さんの後押しも手伝い少しだけアルコールを飲みました。
それが原因かわかりませんが、小野さんが「明日は朝5時に起きてみんなで走りますよ」と宣言しました。
えっ?
朝5時から走らなきゃいけないの?
やっぱり合宿だから仕方ないのかしら。
だから何度も小野さんに確認しました。
「本当に明日は朝から走るのですか?」と。
そのたびに小野さんは「そうですよ~」と答えます。
小野さんがそこまで言うなら、これは絶対にサボれない。朝4時30分に目覚ましをセットして寝ました。
次の日の朝、目が覚めて時間を確認したらなんと5時をすぎている!
これはマズイ。
合宿所内もシーンとしており、誰もいる様子がない。
あぁ……私ってば合宿早々に寝坊をしてしまった。
そう思って慌てて下の階に降りたところ、まだメンバーが全員残っていました。起きている人もいれば寝ている人も。よかった、まだ走りに行ってなかったのね。
寝ていたメンバーも順々に起き始め全員が揃ったところで、智頭駅近くにあるコンビニまで朝食を調達に行きました。
小野さんはまだ起きる気配がなかったので、小野さん以外のメンバーでお出かけです。
9時ごろ合宿所に戻ると小野さんは起きてパソコンの前でなにやらカチャカチャやっていましたが、それにしても「走りますよ~」と言っていた小野さんが寝坊とは!
ストイックで有言実行のイメージが強い小野さんですが、こんなこともあるのね。
この朝のできごとは普段の小野さんの姿を垣間見ることができただけでなく、小野さんとの距離も近くなったのではないかと思います。
みたき園で過ごすのんびりとした時間
その後島田さんも合流し「山菜料理 みたき園」へ。
自然に囲まれた場所にあり「すべてがごちそう」のみたき園は、一歩足を踏み入れるとそこは別世界。誰かが「まるで日本昔話の世界」と言っていましたが、そこは非日常の世界でした。
水が流れる音や火が燃える匂い、木々のざわめきなど五感で感じたいからと敢えて写真を撮らなかったのですが、こうやってブログに書くとなるとそれが悔やまれます。
それはともかく、みたき園でいただいた食事もとても美味しいものでして、智頭合宿は合宿という名の割には最初から最後まで食事には恵まれていました。
食事の後に女将さんのご厚意で、きな粉餅をいただいたのですが、ここで聞いた話が印象深いものでした。この女将さんの話が聞けてよかったというメンバーは多かったですね。
みたき園を開園した当時の苦労や周囲の理解を得るまでの道のり、田舎を売りにするということ。
女将さんはいろいろ話してくださったのですが、私が一番印象に残ったのは家族の話。
実はこの家族の話に共感したからではないのだけれど、だからこそ印象に残ったのかもしれません。
指輪が……
「山菜料理 みたき園」の後は植林イベントに参加したのですが、このイベントに内心ドキドキしながら参加していました。
というのも、祖母から譲り受けた指輪を失くしてしまったと心配だったからです。
その前の年に祖母から「もう使うこともないから」と、指輪やネックレスなどを母と妹と私で譲り受けました。母によるとおそらく形見分けのつもりなんだろうと。
それまで指輪を身につけることはなかったのですが、それ以来祖母の指輪をはめています。
おそらく祖母は薬指にはめていたと思うのですが、私は指が太いので薬指には入らず小指に。小指だとサイズが緩いので、手を洗うときや落としてしまいそうな時は指輪を外すようにしています。
それで植林イベントに出かける前に指輪を外しました。
植林イベントが始まる直前に指輪を外していることを確認し、念のために指輪も確認しておこうと探してみたものの、指輪が見つからない!
どうしよう。
祖母からもらった指輪を失くしたなんてシャレにならない……
普段モノを失くすことがほとんどないので多分今回も大丈夫と言い聞かせながら、半ば心ここに在らずといった状態で植林イベントに参加していました。
合宿所に戻って落ち着いて探したら、ちゃんと指輪はありました。
あの時のホッとした気持ちといったら。祖母が「大丈夫よ、ミズホちゃん」と言ってくれているような気がして、思わず涙がこぼれていました。
感傷的になってこの日を終える
ホッと一安心できたところで温泉と晩ごはんを食べるために移動し、その後合宿所に戻ってきました。
部屋で一人智頭合宿の感想を書いていたのですが、指輪の件もあり感傷的になっていた私は、ずっと泣きながら感想を書いていました。
父や母のこと、祖母の指輪のこと、License to beat への参加や今回の智頭合宿のことなど。普段はあまり感傷的にならないのですが、合宿という非日常の空間だったのでいろいろ思いを巡らすことができました。
2日目の始まりは小野さんがまだ寝ていることに驚き、最後には感傷的になってこの日を終えたのでした。
さて次回は思わず涙が止まらなかった発表の時間についてです。
また泣いてしまったのですよ。
それも参加メンバーの前で。
あら恥ずかし。