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『行動科学マーケティング』ジェイムス・A・ムレイ著

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こんにちは。
セールスライティングのスキルにフォーカス中の穂積ミズホです。

水曜日は本のレビューの日です。
今回は、『行動科学マーケティング』を取り上げます。

『行動科学マーケティング』とは?

概要

『行動科学マーケティング』は、
基本的な消費者行動を解説している本です。
どういった仕組みで人はモノを買うのか、様々な観点から説明してくれます。

消費者行動の本題に入る前に、
そもそもマーケティングとは何か?という基礎から始まります。
消費者心理を学ぶ大切さがわかるとともに、
本題の内容も理解しやすくなるからです。

本文は3部構成です。

どのように欲望は生まれるのか?
→ 「自己」の内的要因と外部環境について、それぞれテーマごとの詳しい説明。
その欲望をどのように解消するか?
→ 価値の評価や意思決定のプロセスについての解説。

学者さんの書かれた本だけあって、徹底的にリサーチされています。
様々な実験や文献から調査・分析されているので、
マーケティングに関係する一通りの行動心理について、
この本から学ぶことができます。
読み終わる頃には、お腹いっぱいになっています。

Amazon.comでも、★5つの高い評価ですね。

著者について

著者は、ジェイムス・A・ムレイ。
ミシガン大学ロス・ビジネス・スクールPh.D.。

マーケティングに目覚めたのは幼児の頃。
家族を前にして、お気に入りのテレビ番組を真似て即興劇を演じていたときです。

トップクラスの成績で大学を卒業後、マーケティング会社で働き始めます。
ロサンゼルスに移り、コンサルティング会社に転職。
調査研究所のディレクターを経て、ミシガン大学ロス・ビジネス・スクールでPh.D.を取得しました。

この時も抜群の成績だったそうで、両親を喜ばせたとのこと。

現在は、デュポール大学のドリーハウス・カレッジ・オブ・ビジネスで教鞭をとりながら、未来のマーケティングに関する研究も行っています。
30歳と若く、時間があればコンサルティングや講演のため、
全国を飛び回っているそうです。

献辞、謝辞ともに両親に捧げているので、家族仲がいいようです。
ご両親にとっても、自慢の息子ですよね。

本の内容

3部構成の本文を中心に、序章とエピローグで構成されています。

  1. マーケティングの基礎
  2. 内的要因 ー「自己」は社会の解釈にどう影響するか
  3. 外的環境 ー考え方や行動を劇的に変化させる「外的要件」の理解
  4. 対応策 ー消費者の欲望への戦略的対処
  5. 評価と反復のススメ

序章は、マーケティングの基礎について。
マーケティングに関わる誰もが知っておきたい概念、
「STP」「4P」「5C」が解説されています。

第1章は、内的要因について。
「自己」が社会の解釈にどのように影響するかについて書かれています。
具体的なテーマは、
行動の原動力であるニーズ、ウォンツ、モチベーションや、
感情、気分、情動など。

第2章は、外的環境について。
考え方や行動が劇的に変化する「外的要件」について書かれています。
具体的には、
他者の存在が消費者の選択を左右する社会的影響、
文化やサブカルチャーの影響など。

第3章は、対応策について。
生み出された欲望に対する解決策が書かれています。
何もしないという対処法もあれば、購入するという対処法も。

エピローグは、評価と反復のススメ。
うまく機能している点を増強し、うまく機能していない点を微調整し、
検証と評価を繰り返さなければならないことが書かれています。

内的要因と外部環境が合わさって欲望が生まれ、
その欲望に対して解決策を探る…という流れです。

『行動科学マーケティング』を読んでみて

マーケティングを学ぶ教科書

この本は、
マーケティングとは何か?という基礎から始まり、
欲望が生まれるプロセス、
生み出された欲望に対する対応策が書かれています。

人間の行動心理について幅広く網羅されているので、
これからマーケティングを本格的に学ぼうと考えているなら、
この本は教科書として使えます。

マーケティングの基礎の冒頭部分で、
「マーケティングを初めて学ぶ人たちも大歓迎である」と書かれているので、
学び始めの私も安心して読み進めることができました。

これだけ多くの実験や文献を自分で調査・分析するとなると
気が遠くなりそうですが、
この1冊を読むことで簡単に手に入ります。
そう考えると、本は投資対費用効果が高いですよね。

イチキュッパ、ニキュッパ…ナントカキュッパ

面白いなと思ったのは、
消費者行動について考える場合、
重要なのは「事実」ではなく、「消費者がどう思っているか」と書かれていたことです。

「ドイツ製」なら高品質だと思うし、
「中国製」なら粗悪で安全性に問題があるかもしれないと思ってしまいますよね。

自分に置き換えてみると、
経理を担当している私は数字に強く正確である…という印象を持たれていますが、
実際は算数の頃から計算は苦手なんですけどね(笑)

そう考えると、
最初にどのように感じてもらうか、ということが大切ですね。

数字といえば、
端数効果と先頭数字効果も面白かったです。

5.99ドルと6ドルでは、
わずか0.01ドルの差にもかかわらず、5.99ドルのほうが”大幅に”安く思える。
→ 端数を残すほうが安く感じる端数効果

1.99ドルと3ドルの価格差は、
実際は1ドル程度なのに(3ドルー1.99ドル=1.01ドル)、
2ドル近くに感じる(3ドルー1ドル=2ドル)。
→ 先頭の数字を過大評価する先頭数字効果

2,000円とイチキュッパ1,980円だったら、
イチキュッパ1,980円のほうが断然お得感が強いですよね。
リズムもいいですし。

サラッと何度か目を通してからじっくり読む

この本は学者さんが書いています。

一見するとよくわからない用語も出てきますし、堅苦しい説明もあります。
数式のようなものが出てきたときは、どうしようかと思いました。
何せ、苦手なので…

とはいえ、
著者の経験談や家族の話、ユーモアもあちこちに盛り込んであるので、
見た目の割には最後まで飽きることなく読めます。

そうは言うものの、やっぱり難しいと感じる部分もあります。
最初にサラッと何度か目を通して馴染んでから、
じっくり読むスタイルがいいのではないでしょうか。
途中で挫折、という気分を味わうこともないですしね。

まとめ

『行動科学マーケティング』を読むことで、
人がモノを欲しくなる本当の理由、
どうすれば商品を欲しいと言ってもらえるか、
などの理解が深まります。

人間の行動心理について幅広く学べる一方、
マーケティングとは何か?という基礎から始まるので、
マーケティングの教科書としても最適です。

もしあなたが、
これからマーケティングを本格的に学ぼうと考えているなら、
この本から読んでみたらいかがでしょうか?

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ミズホ
試行錯誤する40代。